競技プログラミングとは?参加するメリットと使用言語、代表的なサイト

競技プログラミングとは、与えられた問題を最適なプログラムで解決する競技のことです。ジャンル・レベル・扱う言語がさまざまで、競技として本格的に取り組む人もいれば、プログラミングのスキルアップを目的に参加する人もいます。この記事では、競技プログラミングの概要の他、参加するメリットや競技を開催している代表的なサイトについて紹介します。

ライター: CLIP編集部

競技プログラミングとは?

競技プログラミングとは?

競技プログラミングとは、プログラミングの能力や技術を競い合うコンテストのことです。さまざまな競技形式がありますが、一般的なのは「与えられた課題に対して、プログラミングを用いて解決する、過程・時間・正確さを競う」というもの。勝敗判定は、オンライン判定システムなどで行われます。

初心者向け・上級者向けのコンテストが国内外で開催されており、最近では、同じ会場内で参加者たちがプログラミング能力を競い合うリアルイベントも行われています。「自分の実力を試すため」「競技性やゲーム性を楽しむため」「プログラミングの練習ため」など、さまざまな用途でプログラマーの方々に親しまれています。

競技プログラミングに参加するメリットは?

競技プログラミングに参加するメリットは?

競技プログラミングに参加するメリットについて紹介します。

楽しくプログラミングを学べる

競技プログラミングは、課題を解くまでの時間や正確さを競い合う大会です。プレッシャーを感じながら自分のプログラミング技術を試せるので、単に問題を解くよりもゲーム性が高く、刺激を感じながら楽しく学習できます。成績によって賞金や賞品をもらえる大会もあります。

スキルが身につきやすい

順位やスコアで自分の強み・弱みが分かるため、強化すべき分野を確認して、学習効率が上がるのが競技プログミングのメリットの一つ。コンテストには制限時間があるため、コードをシンプルにする能力が鍛えられる他、バグやエラーが少ないコードを書く力も鍛えられるでしょう。競技プログラミングに参加することで、これらの能力を自然に伸ばすことができるので、結果的にプログラミングスキルも身につきやすくなります。

キャリアアップにつながる

競技プログラミングに参加することで、同じ興味関心を持つ方々と交流する機会が増えます。そこで自分に合った学習方法やコミュニティを紹介してもらえたり、仕事のチャンスが得られたり、プログラマーとしての可能性を広げることもできるでしょう。競技プログラミングで一定の成績を残せれば、履歴書や職歴に記載できるようになる他、トップレベルになると仕事のオファーが直接届く可能性もあります。

競技プログラミングで利用される言語とは?

競技プログラミングで利用される言語とは?

競技プログラミングで利用される代表的な言語としては以下があります。これらの言語は、ソフトウェア・システム・アプリケーション開発の現場でも頻繁に使われています。

C++

C++は記述しやすく動作が速いのが特徴で、スピード・正確性が求められる競技プログラミングで主流の言語です。スマホ向けアプリケーションやゲーム、業務システム、WEBアプリケーションの開発などに使われています。

Java

Javaはオブジェクト指向でコードが読みやすく、変更や修正が簡単にできるプログラミング言語です。汎用性の高い言語で、競技プログラミングの分野ではC++と並ぶ人気があります。Androidスマホのアプリケーションやゲーム、Webサイトのバックエンド開発などで使われています。

Python

Pythonはコードの記述が少なく、シンプルなコードが書けるプログラミング言語です。競技プログラミングでは、C++やJavaと並んで人気の言語です。AI開発やデータ分析といったシーンで活用されています。

C#

C#は処理速度が速く汎用性の高い、Microsoftが開発したプログラミング言語です。競技プログラミングでも一定の人気があり、Windowsのアプリケーションの他、スマホ向けアプリケーションやゲーム、Unityを用いたゲーム開発などに適しており、競技プログラミング以外でも人気の言語です。

JavaScript

JavaScriptはプログラミングの初心者が比較的学びやすく、Webサイト制作やシステム開発に欠かせない言語です。競技プログラミングにはあまり向かない言語ですが、競技の上級者がスキルアップのために使用するといった例があります。また、JavaScriptを早く習得したい初心者があえて使ってみるのもよいかもしれません。

競技プログラミングを開催する代表的なサイトは?

競技プログラミングを開催する代表的なサイトは?

競技プログラミングを開催する代表的な7つのサイトを紹介します。どれも多くの参加者を抱えるコンテストを開催しているので、気になったものにぜひチャレンジしてみてください。

1.AtCoder

AtCoderは、初心者から上級者まで楽しめる競技プログラミングサイトです。登録者数は70万人を超えており、競技プログラミングサイトとしてトップレベルの規模を誇ります。毎週オンラインでコンテストを開催しており、リアルタイムで他の参加者と競い合えます。

AtCoderには、与えられた課題に対する正解数と順位を競うAlgorithm Contestと、どれだけ改善できたかを競う Heuristic Contestの2種類のコンテストがあります。Algorithm Contestには、プログラミングのレベルに合わせて、以下の3つから選ぶことができます。

  • AtCoder Beginner Contest (ABC):初心者向け
  • AtCoder Regular Contest (ARC): 中級者向け
  • AtCoder Grand Contest (AGC): 上級者向け

初心者向けは、プログラミングをはじめたばかりの方でも参加しやすく、プログラミングスキルの現在地を測るのに適しています。約5,000問以上の過去問を提供しており、対策が立てやすいのも特徴です。競技プログラミングをはじめたいという方は、まずはAtCoderにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

URL:AtCoder.jp

2.TopCoder(※日本語非対応)

TopCoderは、世界各国のアルゴリズム専門家やソフトウェアエンジニア、UI/UXデザイナーが登録する競技プログラミングサイトで、登録者数140万人以上と、世界最大級の規模を誇ります。

競技プログラミングの他、「アルゴリズムコンテスト」「ソフト開発コンテスト」「UI/UXコンテスト」「アイディエーションコンテスト」などが開催されており、さまざまな領域の実力を試すことができるでしょう。TopCoderの競技プログラミングには、以下の3つのコンテストがあります。

  • Single Round Match (SRM):定期的に開催される短時間で完了するコンテスト
  • Marathon Match:数か月に一度開催される長時間に及ぶコンテスト
  • Topcoder Open:年に一度開催される世界中のトッププログラマーが参加する大規模なコンテスト

トップコーダーにはさまざまなレベルのプログラマーが参加しており、プログラミングの基礎を学んだ初心者にもおすすめ。出場するたびにレーティング(等級・順位表)が変化するため、現在の実力がどの程度なのかを把握するのに役立ちます。ただ、HPにアクセスしても、アカウントを開設し環境を準備しないとコンテスト参加できません。参加方法を紹介するブログなどがあるので、興味がある方は一度確認してみてください。

URL:TopCoder

3.HackerRank

HackerRankは、2012年にローンチされた世界中のエンジニアがさまざまな領域のプログラミングの問題にチャレンジできる競技プログラミングサイトです。サイトには多種多様な課題が登録されており、初心者・中級者・上級者など、自分のレベルに合わせてチャレンジする課題を自由に選ぶことができます。

問題を解いていくことでポイントが加算されていくのが特徴で、正解すればするほどランクが上がっていきます。世界中のエンジニアとナレッジを共有し合える「ディスカッションスペース」の他、求人サイトとしての顔もあり、ランクが上がると企業から声がかかることも。ゲーム感覚でプログラミングを楽しめるだけでなく、就職活動のツールとしても活用できます。

URL:HackerRank

4.Codeforces 

Codeforcesはロシア発祥の競技プログラミングサイトです。日本のAtCoder、アメリカのTopCoderと並ぶ世界的に有名なコンテストを開催しており、世界中から多くのエンジニア・プログラマーが参加しています。週に2~3回という頻度でコンテストが開催されており、参加機会が豊富なのも特徴です。

学習目的で設計された初心者向けのEducational Rounds、トッププログラマー向けのGlobal Contestsなどもあり、自分のスキルに合わせて参加するコンテストを選ぶことができます。ただ、英語を理解できないと参加ができないため、日本人にとってはやや難易度が高いコンテストとされています。

URL:Codeforces

5.Microsoft Imagine Cup

Microsoft Imagine Cupは、Microsoftが開催する学生起業家向けのテクノロジーのコンテストです。コンテストに参加することで、業界をリードする AI サービスや必要なツールに無料をアクセスすることができ、AI ソリューションを開発するためのリソースを得ることができます。

コンテストで入賞すると、最大 100,000 米国ドルが得られ、Microsoft の会長兼 CEO である Satya Nadella による独占的なメンタリングセッションの権利も勝ち取ることができます。スタートアップを検討している学生にとっては千載一遇のチャンスになるといえるでしょう。

URL:Microsoft Imagine Cup

6.Meta Hacker Cup(※日本語非対応)

Meta Hacker Cupは、優れたエンジニアリング人材の発掘を目的にMeta Platforms(旧Facebook)が開始したプログラミングコンテストです。2011年の初開催から現在まで年に1回開催されており、国際的な競技プログラミングコンテストとして認知されています。

競技形式は、ラウンドごとに出題されるアルゴリズムに関する問題を解き、その時間・過程・正確さなどを競い合います。2024年からは、自動コード生成システムを事前に作成し、そのシステムを用いて問題を解決するAIトラックと呼ばれる競技も導入されました。過去の優勝者には、世界的なトッププログラマーが名を連ねており、自分の実力を試すのに絶好の機会といえます。

参加費は無料で、公式サイトから登録すれば各ラウンドの詳細なスケジュールやルールが随時発表されるので、興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。

URL:Meta Hacker Cup

7.PG Battle

PG Battleは、個人ではなく、1チーム3名の団体で参加するプログラミングコンテストです。「出題された問題を解くプログラムを90分間に4つ書き、オンラインで提出する」という競技形式で、学校・企業のプログラミングの総合力を競い合います。

2024年は惜しくも開催中止となりましたが、毎年1,000名を超える社会人・学生が参加し、熱いバトルを繰り広げています。入賞者には、賞金・スポンサー賞などが用意されているのも特徴です。個人のプログラミングスキルを伸ばす目的はもちろん、チームの士気を高めたり、親睦を深めたりする効果も期待できます。団体のプログラミングコンテストはそこまで多くないので、興味がある方はぜひ次回の開催日をチェックしてみてください。

URL:PG Battle

まとめ

競技プログラミングは、ゲーム感覚で楽しみながらプログラミングスキルを高められる方法です。さまざまな言語を習得できるのはもちろん、レベルが上がれば賞金や賞品が得られたり、キャリアアップにつながったりする可能性もあります。興味がある方は、今回紹介した内容を参考にぜひチャレンジしてみてください。
プログラミング学習や競技プログラミングに取り組むうえで、快適なインターネット環境は欠かせません。もしお使いの回線に不安がある場合は、回線契約の見直しを検討するのもおすすめです。


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