進めオンライン調査隊!冠婚葬祭編

昨今、新型コロナウイルスの影響により、人の密集、密閉、密接が避けられ、様々なイベントが中止を余儀なくされています。また、イベントだけではなく、日常生活における、飲み会や仕事、就職活動に関しても制限されています。そんな中、世間の注目を集めるのは「オンライン」です。あらゆるコトやモノがオンライン化されており、仕事ではオンライン会議、オンライン面接。飲み会やレジャーにおいてもオンライン旅行、オンライン宿泊など少し前までは考えられないくらいに急激なオンライン化が進んでいます。今後の生活では人々はオンラインに対応して生きていかなければいけません。そこで今回は世にあふれる「オンライン○○」を探して調査します。まずは冠婚葬祭編!

ライター:CLIP編集部

人生の岐路「冠婚葬祭」業のオンライン化

人生において大切な催し事「冠婚葬祭」。冠婚葬祭の内訳としては「冠」は成人式、「婚」は字のごとく結婚式、「葬」は葬式、「祭」は先祖の霊をまつる事全般、つまりは法事やお盆のことを指しています。このコロナ禍において冠婚葬祭業にどのような影響を与えたのでしょうか?

「冠」成人式、「婚」結婚式のオンライン化

成人式のオンライン化……。このコロナ禍が起こるまでは決して考えることがなかったことでしょう。しかし、ネットで検索してみると、成人式もオンラインで行う市があるようです。それは、神奈川県、川崎市。オンラインでは式典当日の会場の様子を中継し、インターネットで配信、また新成人へのお祝いビデオメッセージ等も配信する予定だそうです。市のウェブサイトからアクセスし、視聴が可能なようで、詳しい方法は後日発表されるそうです。
オンライン結婚式に関しては、新型コロナウイルスが原因で、「Zoom婚」「LIVE婚」という言葉が誕生し、新たな様式として認知されてきました。内容は式場によって様々あるようですが、新郎新婦が式場もしくは、自宅で挙式や披露宴を行い、Zoomや専用アプリを使用し、オンライン上でゲストに参加していただくようです。

「冠」成人式、「婚」結婚式のオンライン化

「葬」葬式のオンライン化

コロナ禍により、葬儀すらも行えないような状況になっています。そんな中で「スマート葬儀」というオンラインでの葬儀参列システムが販売されたようです。機能は「逝去のお知らせ機能」「オンライン芳名帳機能・追悼メッセージ」「香典のキャッシュレス決済」「動画ライブ配信サービス」などを展開。このシステムを販売する「ライフエンディングテクノロジーズ株式会社」にお話を伺います。

本日は、よろしくお願いいたします。

――よろしくお願いします。

オンライン葬儀はいつ頃から考えていましたか? 

――はい、以前から葬儀に参列する方から「今日、おばあちゃんは遠方で、足が悪いから葬儀に来ることは遠慮してもらったの」などの声を聞くようになり、本当はおばあちゃんも葬儀に来たかったのでは?と思い、オンラインでの葬儀配信も可能ではないかと構想段階でした。今回、コロナの影響により、お客様からオンラインで葬儀をしたいと言われ、システム開発を急ピッチで進めました。

オンライン葬儀はどのような流れで行われるのでしょうか?

――基本的に葬儀自体のやることは変わりません。コロナの影響もあり葬儀会場に足を運べない方向けのサービスです。流れとしては喪主、葬儀社が弊社のオンライン葬儀参列システム「スマート葬儀」にて葬儀を行うご家族の専用ページを作成します。その後、参列して欲しい方へメールにて情報配信し専用ページのURLを送付します。葬儀の当日、時間になれば専用URLにお入りいただくとお葬式のライブ中継が行われているので、ご覧いただきながら供養をしていただけます。また、供花、供物、弔電などがECで注文でき、オンラインで決済できます。参列される方が事前にオンラインで記帳(名前、住所を記入)することによりQRコードを発行、実際に参列した際には紙に書くのではなくQRコードで記帳が可能となります。おおまかにはこのような流れとシステムでオンライン葬儀が進んで行きます。葬儀の構成に関しては、通常の葬儀とはほとんど変わらないのですが、写真のように定点のみの撮影ですと、故人様のお顔が見れなかったりするので、カメラを動かしていただいて、様々なシチュエーションを見せることができます。

「葬」葬式のオンライン化-画像_01

オンライン特有のサービス等はあるのでしょうか?

――そうですね、参列される方も視聴するだけではなく、ご遺族へのお悔やみの言葉を現場にいなくても届けることができる「追悼メッセージ」を送ることができ、親族皆様で確認することができます。香典のキャッシュレス決済も可能で、システムのURLからメッセージとともにご香典を送ることができます。香典に関しては喪主側で辞退設定も可能です。
あとは故人様を偲ぶ思い出の写真などをシステム上のページで提供が可能な、「遺影・メモリアルアルバム」機能もあります。

「葬」葬式のオンライン化-画像_02

故人を偲ぶために、様々なサービスを用意しているんですね。ライブ配信サービスでは実際の葬儀とはどのように異なりますか?

――葬儀会場には2~3名いらっしゃって、オンラインにて30名くらい参加されるケースが多く、会場自体は一般的な葬儀よりもさらに静かです。

実際にされた方の感触はいかがですか?

――最初は抵抗があったが行なってみると違和感なく供養ができたと言っていただく方が多いです。また、この社会情勢を考えるとできないと諦めてしまっていたことが、オンラインではありますが、葬儀ができた、供養ができたことに対して心がスッキリしましたと感謝の言葉もいただいております。

素敵なサービスだと思います。世の中がさらなるオンライン化となる未来に向けて、新たな考えはございますか?

――弊社としてはオンライン化が進むことによって、今まで不可能だったことが可能になってくることが多くなると考えます。例えば高齢化社会が進むに連れて葬儀の参列者も自ずと高齢者が増えます。足が悪い、体調がすぐれない、天気の都合もある。様々な理由から参列ができない方でもオンラインで参列ができる。また、今回スマート葬儀の利用者で、海外にいてコロナの影響もあり祖母の葬儀に参列ができなかったためスマート葬儀を利用してオンラインで参加した方もいます。このような形で今まで難しかったことがオンラインでつなぐことができることが増えると考えます。

ありがとうございました。

「祭」法事・お盆のオンライン化

先祖の霊をまつる「祭」は法事やお盆。遠方へ出向かないといけなかったりすることや、高齢化社会により、「お墓参り」に行くことが難しくなっている状況です。そんな中、墓石屋「かの石材」では「オンラインお墓参り代行サービス」を行っています。

本日は、よろしくお願いいたします。

――よろしくお願いします。

オンラインお墓参りはいつ頃から考えていましたか?

――もともとうちは墓石屋なんですけども、実は「お墓参りの代行」サービスを15年前から行っていたんです。要は遠方で来れないだったりとか、地元でも少し体が不自由だったりする方に代わって、お墓のお掃除する代行サービスです。これは結構あるんじゃないでしょうか。墓石業者とか便利屋さんが行っていますね。で、今年の2月に法事に人がほとんど集まらない時があったんですね。というのも、コロナの影響で東京とか大阪の息子たちが帰ってこないからだったんです。そういったお客様が3、4件いらっしゃったんですよ。こういった法事だったりで集まることが少なくなってるんだろうなぁと思っていたんです。その当時、ちょうどTVで「Zoom飲み会」とか「Zoom会議」というのを見たので、みんなが集まれる場を作りたいということで企画しました。

「祭」法事・お盆のオンライン化-画像_01

実際にオンラインお墓参りをされる時の流れはどのようなものでしょうか?

――当日は、まずお墓のお掃除を先に行います。草取りとか墓石をお水で洗ってあげて、最後に乾拭きをするんですけど、その際にお客様とオンラインで繋がります。お客様に観ていただく部分は、お花をお供えしたり、線香とかろうそくとかを付けたりする姿をZoomでご覧いただきます。最後にお客様も含めて合唱してお参りは終了となります。

「祭」法事・お盆のオンライン化-画像_02

オンラインの部分なんですが、お客様とどのように繋がるのでしょうか?

――私たちのサービスはiPadを使ってZoomで繋がるようにしています。

「祭」法事・お盆のオンライン化-画像_03

動画の見せ方で意識していることはありますか?

――最近実はTVの取材なんかも多くなってきて、カメラマンさんの撮影する様子を観察しているんです。やっぱり僕らが撮るのと全然違っていて、すごく参考にさせてもらってるんです(笑)。やはり角度であったり、上から撮ったり、下から撮ったり勉強になりますね。基本的にはオンライン墓参りは一人で行うので、寄り過ぎてしまうと何をしているかわからないので、私がお墓参りしているところ、墓石がしっかり見えるところ、お供えもちゃんと見えるように、ある程度引いたところから撮影するようにしています。

「祭」法事・お盆のオンライン化-画像_04

少し気になったのですが、故人へのお供えものは希望のものをお願いすることはできるのですか?

――オンラインお墓参りではまだないんですが、今までのお墓参り代行ではいくつかありますね。故人がタバコが好きだったので、タバコをお供えしてあげてとか、ビールを注いであげてとか、そういったことはよくあります。別途料金はいただくんですが、可能なサービスです。あとは、好きだったお菓子とか、お花とかが多いですね。お母さんがユリのお花が好きだったからお願いしますとかはあります。

どのような価格帯でお願いできるのですか?

――5平米以内のお墓で、墓地内の草取り、墓石の水洗い、香炉などの掃除、お花、線香、ロウソク、お水をお供えして、完了報告書をお送りして、2万円~となります。

実際にオンラインお墓参りをされた方の感触はいかがですか?

――そうですね、今年はお参りに行く機会がない、諦めるしかないと思っていたので、このようなサービスを知って頼めてとてもよかったというお声が圧倒的に多いですね。

素敵なサービスですね。本日はありがとうございました。

まとめ

今回は「冠婚葬祭」をテーマにオンライン事情を調査しました。冠婚葬祭は人生において大事な行事です。昨今のコロナ禍で諦めなくてはいけなかったリ、参加できない、などの悩みを解消するためにオンラインを使ってお客様を満足させてくれる企業がたくさんあります。今後は5Gも浸透し、様々なコトがオンライン化されると予想されます。まだ見ぬ未来のオンライン体験が楽しみですね。


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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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