Windows11「24H2」へのアップデートは必要？覚えておきたい新機能

2024年10月1日、「Windows 11 2024 Update（バージョン24H2）」の一般公開がスタートしました。多数の新機能が追加されたこのアップデートでは、どのような影響があるのでしょうか？　この記事ではアップデートは必要かどうか、覚えておきたい新機能やアップデートによる不具合事象などについて紹介します。

ライター： CLIP編集部

Windows 11 2024 Update（バージョン24H2）とは？

2024年10月1日、Windows 11のバージョン「24H2」が一般公開されました。このアップデートでパフォーマンス全体がスピードアップした他、安定性も向上。ユーザーインターフェイスの改善、ファイルエクスプローラーの改良、Wi-Fi 7への対応、AIアシスタントCopilotの機能強化など、大規模な機能改善・追加が行われています。

バージョン24H2は、Windows Update経由で誰でもすぐにアップデートできますが、変更点が非常に多いため、実施するかどうかは慎重な判断が必要なところ。以下の項目で代表的な改善点・追加機能を紹介するので参考にしてみてください。

【一般PC向け】バージョン24H2の新機能

Windowsアップデート「24H2」で追加・更新された、一般PC向けの代表的な機能について紹介します。

「Windowsスポットライト」による壁紙の自動更新

Windowsアップデート「24H2」でデスクトップ壁紙の標準設定が、壁紙が変更される「Windowsスポットライト」に変更されました。以前の設定が引き継がれていなければ、自動で壁紙が変更される仕様になります。また、HDR環境（※）をお使いの場合は、HDR壁紙(jxr形式)を設定できます。

（※）HDR
ダイナミックレンジを広げてディスプレイ上に表示できる明るさの幅を拡大するための技術

ファイル右クリックで「Windows共有」がより簡単に

Windowsアップデート「24H2」で、ファイルや表示ページにカーソルを合わせて右クリックし［共有］選択後、Windows共有がより簡単に行えるようになりました。スピーディーにファイルに共有先を選んで送信ができるほか、Edgeブラウザをお使いの場合は、表示ページのQRコードを生成して送信することもできます。

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タスクバーのピン止めが使いやすく進化

スタートメニューからアイコンをドラッグして移動させるだけで、簡単にタスクバーにピン留めができます。Windowsアップデート「24H2」で頻繁に使うアプリのタスクバー表示がより直感的に行えるように進化しました。

また、「設定」の「システム」内にある「開発者向け」機能に「タスクの終了」が追加。以前はタスクバーを起動させる必要がありましたが、タスクバーのアプリアイコンを右クリック、「タスクの終了」を選ぶだけで簡単に終了させられるようになるなど、タスクバーの使い勝手が向上しています。

省エネ機能でバッテリーの負担軽減

Windowsアップデート「24H2」で一部のバックグラウンドタスクの動作を制限し、バッテリーを節約したり、バッテリーの寿命を延ばしたりできる「バッテリー節約機能」が「省エネ機能」に変更されました。以前はノートPCだけの機能でしたが、デスクトップPCや仮想マシンでも利用できるように進化しています。

クイック設定にスクロール仕様が追加

Windowsアップデート「24H2」でインターネットやBluetoothの接続、明るさや音量調整、機内モードのオン／オフなどができるクイック設定画面がスクロール可能になりました。

以前は頻繁に使う機能だけを登録する仕組みでしたが、これによりすべての機能がクイック設定から変更可能に。スクロールするだけで変更・調整したい機能を選べるように進化しています。また、新機能の「省エネ機能」のオン／オフもクイック設定から行えます。

タブの複製でファイル整理が便利に

Windowsアップデート「24H2」ではエクスプローラーでタブの複製が可能になりました。この機能追加で同じフォルダを並べられるようになったので、ファイルを整理するときなどに便利に利用できます。また、ファイルを右クリックしたときに表示されるコンテキストメニューにアイコンの説明が追加されたり、ファイルの圧縮形式が増えたり、エクスプローラー周りの使いやすさが改善されています。

スマートフォンをワイヤレスカメラとして利用可能に

Windowsアップデート「24H2」ではモバイルデバイス管理の機能が追加され、スマートフォンをPCのワイヤレスカメラとして利用できるようになりました。この機能により、「スマートフォンの撮影画面をPCのモニターに表示させる」「撮影画像をPCですぐに確認できる」といったことが可能に。「遠隔からビデオ会議で指示を受けながら商品を撮影する」「撮影画像をすぐにパソコンに表示し、修正点などについて話し合う」など、撮影業務で便利に活用できるでしょう。

テキストサイズの変更が便利に

手元のPCから他のPCを操作する「リモートデスクトップアプリ」の機能がWindowsアップデート「24H2」で更新され、メニューから簡単にテキストサイズを変更できるようになりました。アプリ側の設定で300%以上のズームも可能で、遠隔操作時のPCの視認性を簡単に向上できます。

補聴器などのBluetooth LE オーディオデバイスに対応

Windowsアップデート「24H2」でBluetooth の次世代音声規格、Bluetooth LEオーディオに対応しました。これにより、補助的な聴覚デバイス (聴覚補助装置、人工内耳など) のサポートも可能になりました。また、接続済みデバイスのサウンドの詳細プロパティを簡単に表示できるようになり、各種設定が手軽に行えるように進化しています。

マイクテストの進化でWeb会議を想定したテストが可能に

マイクテスト機能のユーティリティがWindowsアップデート「24H2」では強化され、以前のバージョンにもあった「規定」に加えて「通信」が使えるようになりました。通信環境をふまえたマイクテストを事前に行えるようになり、テレビ会議などのシーンで便利に活用できます。

Wi-Fi 7対応に対応

次世代のWi-Fi規格「Wi-Fi 7」に対応する機能もWindowsアップデート「24H2」では追加されました。「320MHz幅接続時のリンク速度表示」「MLO(複数帯域を同時に利用する通信)」が可能になり、Wi-Fi 7でインターネットに接続することができます。Wi-Fi 7についてくわしく知りたい方は以下の記事も確認してみてください。

関連記事：最新規格Wi-Fi7とは。いつから利用できる？進化する機能を解説

Wi-Fiの更新ボタンが追加

Windowsアップデート「24H2」でWi-Fiの接続画面に、アクセスポイントを表示するボタンが追加されました。接続先のSSIDがうまく表示されないとき、更新ボタンをクリックすることで素早くに再検索できます。また、SSIDのプロパティにQRコードを表示する機能が追加され、接続の共有もより便利になりました。

位置情報の読み取りをポップアップ表示で通知

Windowsアップデート「24H2」でアプリの起動時、「位置情報の読み取り許可」が毎回ポップアップ表示されるようになりました。スマートフォンのように位置情報の読み取り許可を毎回行えるので、アプリ使用時の安全性が向上しました。

Windowsアップデート「24H2」によって多種多様な機能の改善・追加が行われました。これらの変更点に魅力を感じる方は、バージョンアップをぜひ検討してみてください。しかし、「コルタナ」「ワードパッド」「ピープル」などのアプリが削除されるなど、使用できなくなった機能やアプリがある点には注意しましょう。使えなくなると困る機能やアプリがある方は、バージョンアップを控えた方がよいかもしれません。

【Copilot+ PC向け】バージョン24H2の新機能

バージョン24H2では、WindowsのAIアシスタント「Copilot」の機能強化も行われました。追加・改善された機能としては以下があります。

• ライブキャプション：音声を自動文字起こしするライブキャプション機能。オフラインでも翻訳可能
• ペイントのコクリエイター：テキストプロンプト・簡単なスケッチでイラストが生成できる
• Windows Studio Effects：ビデオ通話中のライティングを改善・バックグラウンドの音声ノイズを除去
• 自動スーパー解像度：映像の高精細を維持しつつフレームレートが向上
• Image CreatorとRestyle Image：プリセットやテキストプロンプトのAI画像編集機能

など

AIアシスタントがより使いやすい Copilot+ PCには、６月時点でこれらの機能がすでに搭載されています。Copilotを頻繁にお使いの方は、目新しさを感じられないでしょう。なお、Copilotについてくわしく知りたいという方は以下の記事も参考にしてみてください。

まとめ

バージョン24H2へのアップデートで、魅力的な機能の改善・追加が行われました。興味を持たれた方は、新機能をチェックしてバージョンアップを検討してみてください。ただ、紹介したように、使えなくなる機能やアプリがあるほか、以下のような不具合も確認されています。

• システムファイルチェッカーが誤検出を繰り返してしまう
• キャッシュファイルが削除できず、ハードドライブの空き容量を増やせない
• オンラインゲームアプリ使用時の不具合
• マウスポインタ―が消える
• USB接続の複合機・スキャナーが検出されない

など

今回のアップデートは非常に規模が大きいため、今後は別の不具合が生じる可能性もあります。これらの不具合やエラーが解消され、安心して使用できる状態になってから試してみてもよいでしょう。

また、バージョンアップを行うときは「バックアップや回復ドライブを用意する」「快適な回線環境を整える」などの準備を行いましょう。
万が一不具合が起こってもバックアップや回復ドライブがあれば元のバージョンに戻すことができますし、ネット回線が安定していればアップデートをスムーズに進められます。

アップデート時のトラブルを防ぐためにも、このような準備をしっかり行いましょう。