「インターネットの接続が遅くなった」「パソコンの動作が鈍い」などの不具合は、キャッシュの蓄積によって発生している可能性があります。この記事では、パソコン・ブラウザに分けて、キャッシュ削除の方法を紹介します。インターネットやパソコンの不具合にお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。
ライター: CLIP編集部
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キャッシュの役割と溜まりすぎによる悪影響

キャッシュにはどのような働きがあるのか?蓄積することでパソコンのパフォーマンスにどのような影響があるのか?などについて紹介します。
キャッシュとは?
インターネットで訪問したページ、パソコンで起動したアプリなどの情報を一時的に保存することで、次回のページアクセスやアプリの起動が高速化します。このような、パソコンの働きを支えているのが「キャッシュ」と呼ばれる仕組みです。
大きく分けてブラウザに保存されるキャッシュとパソコンのシステムに保存されるキャッシュの2種類があります。
【ブラウザのキャッシュ】
インターネット利用時にブラウザに保存されます。一度アクセスしたページのデータを一時的に保存することで、次回訪問時のWebサイトの表示速度を向上させます。
【パソコンのキャッシュ】
アプリやシステム利用時に保存されます。頻繁に利用するアプリケーション・システムの情報を一時的に保存することで、次回利用時の処理速度が向上します。
キャッシュがあることで、アクセス頻度が高いアプリケーション、システム、Webページへのアクセスがしやすくなり、利用時の快適性が向上するほか、通信量の節約にもつながります。
このように、キャッシュは、パソコンのパフォーマンスを向上させる大切な仕組みのひとつといえるでしょう。
キャッシュが溜まりすぎると何が起こる?
キャッシュがブラウザやパソコンに蓄積しすぎると、以下のような悪影響を引き起こすことがあります。
【キャッシュの蓄積による悪影響】
- キャッシュデータの管理や検索の処理に時間がかかり、逆に動作が鈍くなる
- キャッシュデータがディスクスペースを圧迫して、ストレージ不足や動作不良の原因になる
- 古いキャッシュの破損がアプリケーションやシステムの動作不良につながる
このほか、「悪意のあるソフトウェアが古いキャッシュデータを利用して個人情報を盗む」といった事例も存在するため、キャッシュのためすぎには注意が必要です。
「アクセスや動作のスピードを向上する」といったキャッシュの利点を活かし、悪影響を予防するためには、キャッシュの削除を定期的に行う必要があります。
キャッシュとCookieの違いは?
キャッシュと似た仕組みに「Cookie」があります。
Cookieは、Webページへのアクセス情報をブラウザに保存する仕組みのことで、キャッシュとよく混同されますが、CookieはWebページに訪問したユーザー情報(例:ログイン状態、閲覧情報、ショッピングカートの中身、表示設定など)を保存するものです。ページへのアクセス速度を向上させるキャッシュとは区別されます。
【キャッシュとCookieの違い】
キャッシュ | Cookie | |
保存場所 | ブラウザ | |
目的 | Webページのアクセス·表示速度向上 | ユーザーの好みに合わせた情報や商品の表示 |
保存情報 | Webページの画像やデザインなどのページ自体の情報 | ログイン、閲覧情報やショッピングカートの中身など、ユーザーの行動データ |
キャッシュとCookieにはこのような違いがありますが、「蓄積しすぎると悪影響が起こる」という点は共通しています。そのため、キャッシュ削除と合わせて、Cookieの削除も定期的に行った方がよいでしょう。
Windowsのキャッシュを削除する方法
Windowsユーザー向けの、キャッシュの削除方法を紹介します。
Windowsのシステムキャッシュを削除する
システムキャッシュの削除方法はディスククリーンアップと、自動削除の2種類があります。
【ディスククリーンアップ】
- タスクバーの検索窓に「ディスククリーンアップ」と入力してアプリを起動
- ディスククリーンアップの画面が表示されたら、「削除するファイル」の一覧で、削除したい項目にチェックを入れ、「OK」をクリック
※システム全体のクリーンアップを実行したい場合は、下部の赤枠をクリックする
【自動削除】
- 「設定」の画面の「システム」をクリック
- 「システム」画面の一覧から「ストレージ」または「記憶域」をクリック
- ストレージの画面の「記憶域の管理」の項目にある「ストレージセンサー」のトグルを「オン」に
- 「ストレージセンサー」の「一時ファイルをクリーンアップ」のチェックボックスにチェックを入れる
- 「ユーザーコンテンツの自動クリーンアップ」に、削除期間を指定できる項目があるため、それぞれで期間を設定する
ここで紹介した方法は、Windows11以降のパソコンで行っています。Windowsのバージョンやパソコンの機種によって、画面や項目名が異なる場合があるため、お使いの環境に合わせて読み替えてください。
Windowsのブラウザキャッシュを削除する
利用頻度の高いGoogle ChromeとMicrosoft Edgeを例に、Windowsのブラウザキャッシュ削除の方法を紹介します。
【Google Chromeの場合】
- 右上のメニューアイコンをクリック(縦に点が3つのアイコン)
- 「履歴」をクリック
- 履歴ページの「閲覧履歴データを削除」をクリック
- 「期間」のプルダウンを「全期間」に設定(※1)、「閲覧履歴」「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れ、「データ削除」をクリック
Cookieも削除したい場合は、「Cookieと他のサイトデータ」にもチェックを入れましょう。ただし、Cookieを削除するとログイン情報も削除されるため注意してください。
【Microsoft Edgeの場合】
- 右上のメニューアイコンから(横に点が3つのアイコン)、「履歴」をクリック
- 上部にあるゴミ箱のアイコンをクリック
- 「時間の範囲」のプルダウンを「すべての期間」に変更(※1)、「閲覧の履歴」「ダウンロードの履歴」「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れて「今すぐクリア」をクリック
(※1)全期間を選択すると、すべての該当データのキャッシュが削除されますが、期間を選択して消去も可能です。
Chromeと同様に、Cookieも削除したい場合は「Cookieおよびその他のサイトデータ」にもチェックを入れましょう。ただし、Cookieを削除するとログイン情報も削除されるため注意してください。
Macのキャッシュを削除する方法
Macにたまったキャッシュを削除する方法を紹介します。
Macのシステムキャッシュを削除する
以下の方法で、Macのシステムキャッシュを削除できます。
- Finderウインドウで「Shift+Command+G」を押し、「フォルダへ移動」ウインドウを開く
- /Library/Cachesと入力してenterキーを押す
- 各サブフォルダ内のファイルを削除
- ゴミ箱を空にする
Macのアプリケーションキャッシュを削除する
以下の方法でMacのアプリケーションキャッシュを削除できます。
- デスクトップ画面下部のDockにある「Finder」をクリック
- 上部メニューバーの「移動」をクリック
- プルダウンメニューが表示された状態で「Option」キーをクリック
- 表示された「ライブラリ」をクリックすると「Finder」の「ライブラリ」フォルダが表示される
- 「Caches」フォルダ内の各アプリケーションフォルダにカーソルを合わせて、右クリック
- プルダウンメニューの「ゴミ箱に入れる」をクリックする
Macのブラウザキャッシュを削除する
利用頻度の高いSafariとGoogle Chromeを例に、ブラウザキャッシュを削除する方法を紹介します。
【Safariの場合】
- メニューバーの「Safari」をクリック
- 「環境設定」をクリックし、上部の歯車アイコンをクリック
- 詳細画面の「メニューバーに“開発”メニューを表示」にチェックを入れる
- メニューバーに追加された「開発」をクリック
- 「キャッシュを空にする」をクリック
※ショートカット「Command+R」もしくは「Shift+再読込みボタン」からキャッシュをクリアすることもできます。
【Google Chromeの場合】
- Chromeを開き「環境設定」をクリック
- 設定画面の「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「閲覧履歴データの削除」をクリック
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れ「データを削除」のアイコンをクリック
※Safariと同様に、ショートカット「Command+R」もしくは「Command+Shift+R」からキャッシュクリアすることも可能です。
キャッシュを削除する際の注意点は?

キャッシュの削除を実行する際には、以下のポイントに注意しましょう。
一時的なアクセス速度の低下・通信量の増加発生の可能性
キャッシュは、システムやブラウザの利用情報を保存することで、次回アクセス時の表示速度を速めたり、通信量を抑えたりする仕組みです。
そのため、キャッシュを削除すると一時的に通信量が増加し、ページ表示に少し時間がかかってしまうケースがあります。
「キャッシュを削除したのになぜ?」と感じるかもしれませんが、数回アクセスするとキャッシュの働きが正常化して表示速度が向上します。
バックアップをとってからキャッシュを削除する
ブラウザ、システム、アプリケーションなどのキャッシュを削除する際、閲覧履歴やダウンロード履歴も同時にクリアすると、必要なデータやファイルが失われてしまう可能性があります。
特にシステムやアプリケーションキャッシュの削除では、データやファイルが失われやすいので、事前にバックアップを行いましょう。バックアップの方法については、以下の記事も合わせてチェックしてみてください。
キャッシュによる影響のその他の対策は?

キャッシュの悪影響を防ぐ方法として「キャッシュの削除」についてご紹介しましたが、以下のような方法で対策を行うことも可能です。
「スーパーリロード」を活用する
「スーパーリロード」とは、キャッシュを使わずにWebページを再読み込みする機能です。同じWebページで再読み込みを行う際、「スーパーリロード」を活用することで、キャッシュの蓄積を防ぐことができます。
【スーパーリロードの方法】
- Windowsの場合: Ctrlキー + F5キー(または Ctrl + Shift + R)
- Macの場合: Commandキー + Rキー
- MacでFireFox・Safariを使用する場合: Commandキー + Shiftキー +Rキー
パソコンのOSや機種によってやり方は少し異なるので、詳しくはお使いのパソコンの方法を調べてみてください。
キャッシュの上限を設定する
各ブラウザには、キャッシュの上限を設定する機能があります。上限を設定することで、キャッシュが一定量に達すると自動で削除され、常に最適な状態を保つことができます。定期的にキャッシュ削除をするのが面倒という方はこの方法を試してみるとよいでしょう。
まとめ
パソコンのキャッシュは、ブラウザやシステムの利用データを一時的に保存し、次回のアクセスや動作をスピードアップするための仕組みです。ただ、キャッシュがたまりすぎると、ページの表示速度の低下や動作不良などを引き起こしてしまうため、定期的に削除することが大切です。「しばらくキャッシュを削除していない」という方は、ぜひ今回紹介した方法を試してみてください。
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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。