ビームフォーミングとは?自宅でより快適にWi-Fiを使える便利機能

パソコンやスマートフォンやデジタル家電などに使用するWi-Fiですが、ルーターの置く位置によっては、壁や家具によって電波が届きにくい場所ができてしまうことも。そんなときに活用したいのが、Wi-Fiルーターのビームフォーミング機能です。
今回はビームフォーミングの概要、メリット・デメリットを紹介します。

ライター: CLIP編集部

ビームフォーミングとは?

ビームフォーミングとは?イメージ

「ビームフォーミング」は特定のポイントへ集中して電波(音波)を送受信する仕組み。通信や音響の分野で活用されています。5G通信や医療用の画像処理、音声認識など広い分野で活用されていますが、この記事では主にWi-Fiルーターのビームフォーミングについて解説します。

Wi-Fiルーターの機能である「ビームフォーミング」は、スマートフォンやIoT機器などの接続デバイスの距離や通信量などを認識して、電波の強度や向きをコントロールして電波を届ける機能。
従来のWi-Fiルーターのアンテナでは、360°全方向へ電波を均一に飛ばすため、さまざまな要因でWi-Fiの届きにくい場所が家の中にできていました。ビームフォーミング機能を活用すると、電波や壁や家具などの物理的な干渉を減らすことができ、距離や場所に関係なく安定した高速通信が可能になります。

ビームフォーミングを使用するためには、Wi-Fiルーターとデバイスの両方が機能に対応している必要があります。2019年に登場した「Wi-Fi6(802.11ax)」以降のルーター、iOSの場合2014年発売の「iPhone 6」以降は、基本的にビームフォーミングに対応しています。ビームフォーミングを使用するための設定は特に必要なく、送信側と受信側の両方が対応していれば使用できると考えていいでしょう。

Wi-Fiルーターの置く位置でも速度改善がみられる

Wi-Fiルーターの置く位置イメージ

Wi-Fiに接続するデバイスの通信速度が遅い場合は、ルーターの配置場所を変えると改善されることがあります。自宅のどこでよくデバイスを使用するのか、どのデバイスを接続しているのかを把握したうえで、障害物や電波干渉の少ない場所にルーターを移動してみましょう。

関連記事:ルーターの最適な置き場所は?Wi-Fiを繋がりやすくするには

ビームフォーミングのメリット・デメリット

ビームフォーミングを使用する上でのメリットとデメリットを紹介します。

ビームフォーミングのメリット

メリットイメージ

障害物の影響を受けにくい

ビームフォーミングはデバイスとの距離を特定し、最適な電波を集中的に特定した端末に発信します。そのため、家具や壁などの物理干渉に加えて、電子レンジや冷蔵庫などの電波干渉の影響を受けにくい傾向があります。

家のどこにいても快適にWi-Fiに接続できる  

接続しているデバイスに合わせて発信する電波強度を変えるため、家中どこにいても安定した高速通信が可能です。

ルーターの置き場所が限定されない

従来の通信方法であれば、上記で紹介したようにルーターを壁から離したり家の真ん中に設置するなどの工夫が必要でした。しかしビームフォーミング機能を活用すれば、家の隅にルーターを設置しても家全体をカバーすることが可能です。

複数デバイスを接続しても通信速度が落ちない

ビームフォーミング機能を活用する上で使用している「MU-MIMO」では、複数の端末に同時に電波を送信することが可能なため、通信速度を落とさず安定した通信ができます。

ビームフォーミングのデメリット

デメリットイメージ

ルーターもデバイスも機能に対応している必要がある

ビームフォーミングを利用するには、Wi-Fiルーターとデバイスの両方がビームフォーミングに対応していなければなりません。
しかし現在、ビームフォーミングに対応していないデバイスでもビームフォーミングを活用できる技術が開発され、その機能が搭載されたWi-Fiルーターも発売されはじめています。

通信環境によっては効果がない場合がある

使用環境によっては、ビームフォーミングを活用していても効果が実感できない場合もあります。
例として、自宅の2階に床暖房を導入している場合、床暖の金属板に遮られるため、1階にWi-Fiルーターを設置した際に2階へ電波が届きにくい可能性があります。ビームフォーミング機能が効果的に適用される環境かどうかを確認しておきましょう。

まとめ

快適な通信環境を保ってくれる機能「ビームフォーミング」。利用には基本的にWi-Fiルーターとデバイスの両方が機能に対応していなければなりませんが、ストレスフリーにインターネットを使いたいならば今後必須になってくると考えられます。もしWi-Fiルーターの買い替えを検討しているならば、ビームフォーミング搭載ルーターにしてみてはいかがでしょうか。


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