Excelを開いて作業をしようとした際や作業中に、「動作が重い」「ファイルを開けない」といった症状が表れたことはありませんか? 数値を打ち込めなかったり、データを参照できなかったりと、作業に支障がでてしまうことも少なくないでしょう。
Excelが重くなるのには、いくつかの原因が考えられます。この記事では、Excelが重くなる主な原因の特定方法や、原因別の対処法などを解説します。
Excelが重い原因は主に3パターン
Excelが重いときは、「Excelファイル」「Excelのアプリ」「パソコン」のいずれかに問題生じているケースが大半です。
それぞれ、以下でくわしく解説します。
Excelファイルの問題
閲覧しようとした、あるいは作業しているExcelファイルに問題が生じているケースです。例えば、次のような場合はファイルの問題でExcelが重くなることがあります。
- Excelファイルに大量のデータが入っている
- 大量の処理を行っている
- マクロやVBAなどの重くなりがちな機能を使っている など
また、共同編集ができるブックの共有機能をオンにしているのが原因の場合もあります。
Excelのアプリの問題
パソコンにインストールしているExcelのアプリそのものに問題が生じているケースです。
例えば、次のような場合は、アプリの問題によりExcelが重くなることがあります。
- バージョンが最新ではない
- プログラムファイルが破損している
また、自動保存機能をオンにしているのが原因の場合もあります。
パソコンの問題
Excelを使用しているパソコン側に問題が生じているケースです。
例えば、次のような場合は、パソコン側の問題によりExcelが重くなることがあります。
- パソコンのOSが古い
- Excelと同時にほかのアプリをたくさん起動している
- メモリ不足 など
Excelが重い原因の特定方法
Excelが重くなっている原因を特定する際は、次の手順を試してみましょう。
- 作業中のExcelファイルを閉じる
- 同じパソコンで別のExcelファイルを開く
別のExcelファイルが重いかどうかによって、以下の通り原因を特定できます。
別のExcelファイルも重い場合
別のExcelファイルを開いても重い場合は、Excelのアプリやパソコンに問題があると考えられます。ExcelのアプリやパソコンのOSが最新のバージョンになっているか確認してみましょう。
【Excelのバージョンの確認方法】
- Excelを起動して「ファイル」をクリック
- 開いた画面のサイドメニューから「アカウント」をクリックしてバージョンを確認
【パソコンのOSの確認方法】
▼Windowsの場合
- 「スタート」ボタンを右クリックし、メニューから「ファイル名を指定して実行」を選択
- 「winver」と入力し「OK」をクリック
- 表示された画面でバージョンを確認
▼Macの場合
- 「Apple」メニューから、「このMacについて」をクリック
- 表示された画面でバージョンを確認
別のExcelファイルは問題なく動く場合
別のExcelファイルが問題なく動く場合は、特定のExcelファイルに問題がある可能性があります。
重いと感じるExcelファイルに大量のデータが含まれていないか、重くなりがちな機能を使用していないかを確認してみましょう。
Excelファイルに原因がある場合の対処法
Excelファイルに問題があると疑われる場合は、次のような対処法を試してみましょう。
- 不要なデータを削除する
- 不要な関数や数式、マクロは削除する
それぞれの対処法について、以下で詳しく解説します。
不要なデータを削除する
図形やグラフなどのオブジェクトのなかで、不要なものはこまめに削除するようにしましょう。「ホーム」タブから「編集」の「検索と選択」をクリックし、「オブジェクトの選択と表示」を選択するとオブジェクトが一覧表示されるので、不要なものを確認しやすくなります。
また、画像を使っている場合は、圧縮するとファイルサイズを小さくできます。ただし、圧縮すると元の解像度にはならないので、必要に応じてバックアップを保存しましょう。
作業に必要のないシートやセルを削除することも重要です。シートが複数ある場合は、ファイルを分けるのもおすすめです。
条件付き書式やコメントも容量圧迫の原因となりえるため、不要なものは削除しましょう。
不要な関数や数式、マクロは削除する
Excelのファイルは開くたびに計算が自動的に行われるので、関数や数式が多いと動作が重くなりやすいでしょう。関数や数式を使うまでもないセルについては「値」に置き換えるなどの対応がおすすめです。
また必要のないマクロを削除すると、Excelの動作が軽くなることがあります。Excelファイルが重いときは不要なマクロがないか確認し、削除するようにしましょう。
Excelのアプリに原因がある場合の対処法
Excelのアプリの問題が疑われる場合は、次のような対処法を試してみましょう。
- アプリのバージョンを更新する
- 自動保存時間を見直す
- 修復機能を利用する
- アドインを無効化する
- グラフィックのハードウェアアクセラレーションを無効化する
- Excelを再インストールする
それぞれの対処法について、以下でくわしく解説します。
アプリのバージョンを更新する
アプリのバージョンを更新することで、Excelの動作が軽くなることがあります。途中までの手順は、Excelが重い原因を特定する際と同様です。バージョンが最新でないことが確認できたら、そのままアプリを更新しましょう。
- Excelを起動して「ファイル」をクリック
- 開いた画面のサイドメニューから「アカウント」をクリック
- 最新の状態でない場合は、「更新オプション」から「今すぐ更新」をクリック
自動保存時間を見直す
Excelには、数分おきにファイルの内容を自動保存する機能が搭載されています。作業のやり直しを防げる便利な機能ですが、保存のたびに関数などの計算をやり直すため、Excelが重くなる原因にもなります。
自動保存の時間は10〜120分の間で設定できるので、保存の間隔を見直すのもおすすめです。
保存間隔を確認・変更したい場合は、「ファイル」タブから「オプション」に進み、表示画面から「保存」を選択し「次の間隔で自動回復用データを保存する」の自動保存の間隔を確認、適宜見直しましょう。
修復機能を利用する
Windowsの場合は、Ofiiceアプリの修復機能が標準搭載されています。具体的なやり方は、以下の通りです。
- 「スタート」から「設定」を開く
- 「アプリ」→「アプリと機能」の順番に選択
- 一覧から「Microsoft 365」を探し、「その他」のアイコンを選択
- アプリ名の下にある「詳細オプション」を選択し、表示されたページで「修復」をクリック
- 修復を利用できない場合、または問題が解決しない場合は「リセット」を選択する
アドインを無効化する
アドインとは、ソフトの拡張機能のことです。アドインはファイル内の分析や外部との連携を行い利便性を高めてくれますが、Excelが重くなる原因になります。
不要なアドインを無効にすると、Excelの動作を軽くできるでしょう。
やり方は、「ファイル」タブから「オプション」に進み、表示画面から「アドイン」を選択。画面下の「設定」から表示された画面で使用していないアドインはチェックを外すことで無効化できます。
グラフィックのハードウェアアクセラレーションを無効化する
コンピューターのあらゆる計算処理は、人間でいう頭脳にあたる「CPU(Central Processing Unit)」が役割を担っています。しかし復数の処理を同時に任せすぎると、CPUに負担がかかりすぎてしまいます。
CPUの負担軽減のために搭載されているのが、CPU以外の部分に処理を補わせる「ハードウェアアクセラレーション」という機能です。例えば、ExcelやWord、Google Chromeなどのソフト・アプリはグラフィックのハードウェアアクセラレーションが標準で「オン」になっています。これにより、グラフィックの処理をCPUではなくGPU(Graphics Processing Unit)という部分に補わせることができます。
しかし、パソコンのなかにはGPUの性能が低いものも多いので、動作が重くなる原因にもなりかねません。そのため、Excelの設定でハードウェア グラフィックアクセラレーションを無効化しCPUで処理するようにすれば、動作が軽くなる可能性があります。
これらの方法を試しても症状が改善しない場合は、Excelの再インストールを試してみてください。ただし、その場合はMicrosoft 365全体を再インストールすることになるため注意が必要です。
パソコンに原因がある場合の対処法
パソコンの問題が疑われる場合は、次のような対処法を試してみましょう。
- パソコンを再起動する
- 不要なアプリを閉じる
- OSを更新する
それぞれの対処法について、以下で詳しく解説します。
パソコンを再起動する
パソコンを再起動すると、実行しているタスクが終了されます。
パソコン側に問題がある場合は、再起動するだけで問題が解消する場合もあります。
不要なアプリを閉じる
アプリをいくつも起動していると、メモリ容量が圧迫され動作が重くなる原因になります。
Excelと同時に起動させているアプリのなかで、使っていないものがあればこまめに閉じるようにしましょう。
OSを更新する
パソコンのOSのバージョンが古すぎる場合は、次の手順で更新しましょう。
【Windowsの場合】
- 「スタート」から「設定」を開き、「Windows Update」を選択
- 「更新プログラムの確認」を選択し、更新プログラムが利用可能な場合はインストールを選択できる
【Macの場合】
- 「Appleメニュー」から「システム設定」を選択
- サイドバーで「一般」をクリックし、右側で「ソフトウェアアップデート」をクリック
- 利用可能な新しいソフトウェアがある場合、ボタンをクリックして更新する
Excelのファイルが開けない場合の対処法
場合によってはデータが多すぎるなどの理由により、Excelのファイルが開けなくなってしまうこともあります。そのようなときは、以下の方法で対処しましょう。
- 新しくExcelを開き直し、「ファイル」タブの「開く」から「参照」を選択
- ファイル指定したら「開く」ボタンの横にある▼をクリックして「開いて修復する」を選択
- ダイアログボックスで「修復」を選択
上記の手順で修復できない場合は、「データ抽出」ボタンをクリックして数式や数値だけでも抽出できます。そのほかには、クラウド上のExcelファイルを直接開いている場合はローカルに移す、「セーフモード」で開くなどの方法もあります。
まとめ
Excelが重いときは、Excelファイル・アプリ・パソコンのいずれかに問題が生じていると考えられます。まずは、一度Excelを閉じてから別のファイルを開いてみて、どこに原因があるのか特定しましょう。
アプリやOSのバージョンの更新や、不要なシートの削除、使っていないアプリをこまめに閉じることは、Excelが重くなるのを防ぐためにも重要です。時間がないときにExcelが重くなり困ることがないよう、日頃から不要なものを残したままにしない習慣を身につけましょう。
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