パソコンにはデータを保存するためのストレージが搭載されています。このストレージの性能によってデータの読み込み・書き込み速度が変わります。
SSDはHDDと比較してデータの読み書きが高速で、衝撃にも強いストレージとされていますが、なぜか速度が上がらない、遅くなることがあります。この記事では、SSDが遅くなる原因と対処方法について紹介します。
外付けSSDが遅い原因と対処方法についても簡単に解説するので、ぜひチェックしてみてください。
ライター: CLIP編集部
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SSDが遅い原因は?

SSDが遅くなる原因として以下のようなケースが考えられます。まずは、どのような原因で遅くなっているのかを確認してみましょう。
空き容量不足
SSDは内部でデータを管理・整理する際に、一定の空き容量を必要とするため、空き容量が少なくなると作業領域が不足し、パフォーマンスが低下してしまいます。空き容量が10%未満になると著しく速度が低下する場合がある(場合によっては最大で半分程度まで落ちることも)ため、まずはストレージの残容量を確認してみましょう。
OSやドライバーの不調
古いOSやドライバーを使用していると、SSDの性能を引き出すための機能が十分に働かず、処理速度が落ちることがあります。そのためWindowsなどのOSやドライバーを最新の状態に更新することで、性能が改善されます。
TRIMコマンドが無効になっている
TRIMコマンドは、OSがSSDに対して「このデータはもう必要ない」と通知し、SSD内部で不要データを効率的に整理する仕組みです。このコマンドによって、SSDの書き込み性能を維持できます。
最近のパソコンではTRIMコマンドが自動で有効になっていることが多く、通常は特別な設定をしなくても問題ありません。ただし、TRIMコマンドが無効になっている可能性もあるため、念のためチェックしてみましょう。
ファームウェアが古い
SSDを制御しているのは「ファームウェア」と呼ばれるソフトウェアです。ソフトウェアが古いままだと、バグや互換性の問題によって動作が不安定になったり、速度が低下したりすることがあります。
メモリに問題がある
パソコンはSSDに保存されたデータをいったんメモリに読み込んでから動作します。同時に複数のソフトやアプリを起動するとメモリが不足し、SSDのデータ転送処理が滞ることがあります。
SATAケーブル・ポートの異常
マザーボードとSSDを接続するSATAケーブルやポートに異常がある場合も、速度低下を引き起こすことがあります。
SSDを換装した場合やUSB接続で外付けSSDとして使用している方は、接続のゆるみやポートの損傷が考えられるため、一度確認してみるとよいでしょう。
SSDの速度を改善する方法は?
SSDの速度を改善する方法について紹介します。
ディスククリーンアップを使用する
Windowsに標準搭載されているディスククリーンアップツールを使用すると、不要なファイルを簡単に削除できます。SSDが遅いと感じたら、まずはクリーンアップを試してみましょう。
【ディスククリーンアップの方法】
- スタートアイコンから「すべて」をクリック

- Windowsツールのフォルダをクリック

- フォルダ内の「ディスク クリーンアップ」のアイコンをクリック

- 削除するファイルを選択し「OK」をクリック

- 確認メッセージが表示されたら、「ファイルの削除」を選択する
TRIMコマンドを有効にする
以下のステップで、TRIMコマンドを確認して有効にしましょう。
【TRIMコマンドを有効にする】
- Windows + Rキーで「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開く
- 「cmd」と入力して「OK」を押し「コマンドプロンプト」を起動

- 「fsutil behavior query disabledeletenotify」と入力し、Enterキーを押す

- 「NTFS DisableDeleteNotify = (0か1)」というメッセージが表示される
(※)=1の場合はTRIMが無効になっている
- 「fsutil behavior set disabledeletenotify 0」と入力し、SSDのTRIM機能をオンにする
ファームウェアを更新する
SSDメーカーは定期的にファームウェアのアップデートをリリースしており、これにはバグ修正や性能改善が含まれています。フォームウェアをしばらく更新していない場合は、専用ツールで更新しましょう。
アップデートの最中に電源が切れるとSSDが故障するリスクがあるため、必ず電源を接続しながら行いましょう。また、実施前は必ずデータのバックアップを取りましょう。
ドライバーの再インストール
SSDドライバーの不備で遅くなっている場合、ドライバーの再インストールが有効です。ドライバーの再インストール時にデータ破損などのリスクがあるため、実行する場合は必ずバックアップしてから行いましょう。
【SSDドライバーを再インストールする方法】
- スタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択

- 「ディスクドライブ」をクリック

- 表示されたSSDを右クリックする

- メニューから「デバイスのアンインストール」を選択し、確認メッセージが表示されたら、「アンインストール」をクリック
ファームウェアの更新やドライバーの再インストールを行う際は、必ずSSDメーカーの公式サイトで最新の手順や注意点を確認してから作業しましょう。
そしてこれらの方法でもSSDの速度が改善しない場合、経年劣化などの可能性があるため、お使いのパソコンに対応しているSSDの規格を確認したうえで、その規格に合った最新のSSDを購入し、HDD/SSDクローン対応の機器でデータを移行してから入れ替えるのが効果的です。パソコンの修理などに慣れていないと失敗してしまう可能性もあるため、難しい場合は専門家に相談してみてください。
SSDを長持ちさせる方法は?
SSDは、長く使用していると経年劣化によって不具合が発生し、速度低下などが起こりやすくなります。以下のような方法で、SSDのパフォーマンスを長持ちさせましょう。
- 定期的なディスククリーンアップで空き容量を確保する
- 外付けSSDなどにデータを分散する
- パソコンを使わないときはシャットダウンする
- できるだけパソコンに衝撃を与えない
- 湿度が高い場所、高温・低温になりやすい場所で保存しない
- 冷却機能が落ちないように、定期的にホコリや汚れを落とす
SSDの寿命や長持ちさせる方法についてよりくわしく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
外付けSSDが遅い場合の対処方法

外付けSSDが遅くなる原因と対処方法についても簡単に紹介します。
外付けSSDが遅い原因と対処方法
外付けSSDの速度低下は、接続環境やハードウェア的な要因によって発生することが多いです。以下のような点を確認してみましょう。
- USB 2.0や旧型のSATAポートで接続している
外付けSSDの性能を最大限に引き出すには、USB3.1 Gen2(10Gbps)やThunderbolt 3(40Gbps)などの高速規格が必要です。USB2.0やSATA2を使用している方は、交換を検討しましょう。 - ケーブルの品質・劣化
安価なUSBケーブルや、長年使用して被覆や内部線が劣化したケーブルは、データ転送帯域を制限することがあります。長すぎるケーブルでも速度低下が起こりやすくなるため、ケーブルの交換を検討しましょう。 - SSDの空き容量不足
内部のキャッシュ領域が不足すると、一時的に読み書きが遅くなることがあります。不要なファイルを削除し、SSDの空き容量を確保しましょう。 - 高温によるサーマルスロットリング
SSDは高温になると速度を制限して発熱を抑える仕組みがあります。長時間の使用や通気の悪い環境では、熱によって速度低下が起こるため、温度が下がるまで休ませてから使用してください。扇風機などで風を当てながら使用するのもおすすめです。 - 大容量データの連続書き込み
一度に数十GB以上のデータを転送すると、SSD内部のキャッシュ(高速一時領域)が一時的に溢れ、速度が落ちることがあります。一度に大量のデータ転送を行わないように注意しましょう。
まとめ
SSDは、読み込み速度、耐久性、動作音の静かさなど、さまざまなメリットがあるストレージですが、さまざまな要因でパフォーマンスが低下し、速度が遅くなってしまうことがあります。SSDの速度低下にお悩みの方は、今回ご紹介した方法を参考にしてみてください。
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