急速に進化を続けるAIサービス。その機能を最大限に利用できていますか? 今回はAIサービスを利用した業務改善方法として最もメジャーな、「ChatGPT」を用いたスプレッドシート作業の効率化方法を紹介します。
ライター:CLIP編集部
「ChatGPT」とは
ChatGPT はアメリカの企業OpenAI が開発した、人工知能を使ったAIチャットサービスです。現在100以上の言語に対応しており、精度の高い翻訳機としても利用可能。
2022年11月に公開されて以降、回答精度の高さが話題となり、凄まじい勢いで利用者を獲得。公開から5日間でユーザー数は100万人を突破し、2023年2月には1億人を記録しました。
またMicrosoftとの提携も開始し、Office系ソフトへの導入も進められています。
ChatGPTの弱点
ChatGPTには無料版と月額20ドルの有料版が存在します。有料版ではAIが学習した最新データを利用できますが、無料版では2021年9月までの学習情報を元にした利用しかできないため注意が必要。
またChatGPTの回答は言い切り表現が多用されますが、その根拠や出典は表示されません。
ほかにもChatGPTにはAI学習機能が搭載されているため、質問として送信した情報が学習データとして利用されるリスクが存在します。利用にあたってはこれらの危険性を十分理解しておきましょう。
ChatGPTをスプレッドシートに活用
まずはChatGPTの利用に必要なOpenAIのアカウントを作成します。アカウント作成方法はこちらの記事をご確認ください。
質問の丸投げ
やりたいことはあるがスプレッドシートで得たい情報の導き出し方がわからない場合や使用方法が分からない場合は、ChatGPTへ以下のような質問をしましょう。エクセルの際も応用可能です。
例)既存の表を用いてデータを抽出したいがやり方が分からない場合
【質問内容】
Googleスプレッドシートで予算表から、案件ごとの予算をまとめたい場合、どのような数式が必要ですか?###現状###予算表には以下の列があります。案件コード、案件名、受注金額、予算、粗利額###目的###案件ごとの予算表には、以下の列が必要です。担当者、案件コード、案件名、粗利益率
※今回は「###現状###」としていますが、見出しだとChatGPTが判断できればどのような表記方法でも問題ありません。
例)特定の条件で指定のリアクションをさせる数式を知りたい場合
【質問内容】
GoogleスプレッドシートのC列の在庫が20以下の時、D列に「残りわずか」と表示させるにはどのような数式を入れれば良いですか?
アドバイスを求める
おおまかな手順はわかるが、細かい設定や数式が分からない時はChatGPTにアドバイスを求めることで解決できるかもしれません。
例)なんとなく使う関数はわかるが、具体的な因数が分からないとき
【質問内容】
Googleスプレッドシートに入力したプロジェクトコードを3つのコードに分解したいです###プロジェクトコードの例###XX-YY-01 → XX,YY,01に分解したいFK-YO-21 →
FK,YO,21に分解したい###質問###LEFT関数、MID関数、RIGHT関数を使うのではないかと思いますが、具体的な数式はわかりません。
スプレッドシート内でChatGPTを用いる
関数を用いてスプレッドシート内にChatGPTを呼び出せます。ただし、これを無料版で利用できるのはトライアル期間のみ。何度か使用するとエラーが表示され、有料プランへの移行が必要になります。
ChatGPTをスプレッドシートに組み込む方法
まずはスプレッドシートを開き「拡張機能」タブから、「アドオン」「アドオンを取得」の順にクリック。
検索機能を用いて「ChatGPT」と検索し、以下の拡張機能をインストールします。
規約などを確認し、問題がなければ「続行」をクリック。
スプレッドシートを使用するアカウントと同じアカウントにインストールしましょう。
ここでも規約の確認が求められます。問題がなければ「許可」を。
次にOpenAIプラットフォームで新しいAPIキーを作成します。
OpenAIプラットフォームを開き、「Create new secret key」をクリック。
開かれたポップアップ画面の「Create secret key」を押すとAPIキーが作成されるので、それをコピーします。
OpenAIのAPIキーは無料期間などが設けられていますが、それを過ぎると従量課金制となります。使用の際は、無駄に使い過ぎないように気をつけましょう。
また、使い過ぎが心配な方はOpenAIの公式WebサイトからAPIキーの使用上限値の設定もできるようです。
再度スプレッドシートを開き、「拡張機能」タブからダウンロードした拡張機能、「Set API key」の順でクリックし、APIキーの入力画面を開きます。「Enter your OpenAI API key」の欄に先ほどコピーしたAPIキーを貼り付けて「Next」をクリック。あとは指示に従い、規約確認などを進めていけばGoogle スプレッドシート内でChatGPTの回答が得られるようになります。
関数からChatGPTを呼び出して結果を入力させる
スプレッドシート内でChatGPTを利用する場合、以下の手順で設定をします。
- ChatGPTへの質問を入力するセルと、ChatGPTからの回答を表示するセルを決める
- 回答を表示させるセルに「=gpt(質問を入力するセル)」を入力
結果、得られた回答が表示されます。
マクロコードを作成させる
スプレッドシートはGoogle関連サービスをJavaScriptで操作するための環境「Google Apps Script(GAS)」を用いて操作することもできます。
そのためのコードをChatGPTに生成させることも可能。
【質問内容】
GoogleスプレッドシートでGASを用いて、以下の条件を満たすコードを生成してください。###要件###全シートで以下の処理をしてください。2行目以降のセルの塗りつぶしを削除
まとめ
ChatGPTの回答は求めていたものが返ってくることもあれば、少し的外れな場合もあります。自分の求めていない回答が返ってきたときは、「再生する」をクリックしたり、質問の仕方を変えてみましょう。
ChatGPTをうまく利用すれば、スプレッドシート利用時の悩みをさくっと解決できたり、作業効率化も可能です。この記事を読んでChatGPTとスプレッドシートの連携に興味を持った方は、いずれもネット環境が必要なため、安定した快適なネット環境で作業を行いましょう。
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