アニメ『地球外少年少女』子供の力で隕石衝突をどう回避?斬新な答えは…

パンデミック、気候変動、炎上や分断。2022年はなんだか世紀末感がある。でもまだ21世紀初頭です。世界の終わりばかりを考えたくはないですよね。
Netflixで配信中のアニメ『地球外少年少女』は世界の終わりに少年少女が鮮やかな答えを出してくれる「はじまりの物語」。まっすぐなエンタメかつハードSFです。約30分×6話でコンパクトに観られますが濃密。観終わった後きっと、前向きな気持ちになれるでしょう。

ライター:平田提

『地球外少年少女』のあらすじ

地球外少年少女

2045年。月で生まれた子供・登矢(とうや)や心葉(このは)は、地球に移住するべく日本の商業宇宙ステーション「あんしん」でリハビリ中だった。そこへ「ディーグル」社のキャンペーンで、地球から3人の子供がやってくる。地球人の歓迎パーティーの後、ステーションは彗星の衝突事故に巻き込まれ、電源やネットが切断。登矢たちは大人とはぐれてしまう。子供たちは「あんしん」からの脱出を目指し、次々に襲いかかるトラブルを自分たちの力で乗り越えていく。

『ゼロ・グラビティ』×ジュブナイル。極限状況を子供たちはどう切り抜ける?

『ゼロ・グラビティ』×ジュブナイル

原作・脚本・監督の磯光雄氏、プロデューサー・岩瀬智彦氏のインタビューによれば 『地球外少年少女』はもともとあったジュブナイル(≒子供の成長譚)のアイデアに映画『ゼロ・グラビティ』の設定をかけ合わせて生まれたそう。

『ゼロ・グラビティ』はサンドラ・ブロック演じる主人公が、たった一人宇宙空間に取り残され、地球へ戻るまでを描いた映画です。

14〜15歳の少年少女

科学の知識やあるモノをフル活用して極限状況を切り抜け、宇宙から地球を目指すのは『地球外少年少女』も同じ。違うのは登矢たちがまだ14〜15歳の少年少女ということ。その危機的状況も、言ってしまえば大人が招いたものです。

「あんしん」の機能をダウンさせた隕石が地球に向かったり、事故の背景に殺処分されたはずの超高性能AI「セブン」やテロリストの暗躍が見えてきたりと、意外な展開がテンポ良く続くので飽きさせません。

AIを処分するべきか? 隕石を破壊するべきか? 敵はどこにいるか? そういった解決策ではない、鮮やかな答えを『地球外少年少女』は出してくれます。それがどこか温かで、クレバーで、未来を感じさせてくれて、良い。

AIを通じて人間・人類を考える

AI搭載のドローン

AI搭載のドローンを子供が1人1台持っていたり、月面都市があったり『地球外少年少女』はかなり未来を描いているように見えます。ただ手のひらにプリントする端末「スマート」にしろ、「オニクロ」の畳める宇宙服にしろ、現代と地つなぎで想像しやすい技術がほとんど。プロップ(小物)のデザインがありえそうで、良いんです。

宇宙ステーション「あんしん」

『地球外少年少女』の世界では、宇宙ステーションの管理・法務など多くをAIに頼っています。では逆にAIからのフィードバックを受けて人間はどう成長するのか? 決まった情報だけを与えられるだけでは前に進めない、それはAIも人間も同じなのではないか? そう考えさせられる作品です。

ゆりかごから飛び出せ!

ゆりかごから飛び出せ!

1話で登矢のTシャツに書かれた「第2宇宙速度」とは、ロケットなどが地球の重力を振り切るために必要な速度のこと。次に太陽の重力を振り切るために行われるのが、地球の公転速度を利用して第3宇宙速度に達するスイングバイです。

那沙・ヒューストン

『地球外少年少女』を観ていると、子供が大人の想像を超えた未来を描く展開にワクワクさせられます。子供の巣立ちって、第3宇宙速度なのかもしれない。大人は管理するのではなく、次世代が行きたいベクトルにスイングバイさせるのが良いんじゃないか。
「ゆりかごから飛び出せ」「人間は地球外に住むべきだ」と『地球外少年少女』で繰り返されるメッセージから、そんなことを考えさせられました。

『電脳コイル』磯光雄監督、『エウレカセブン』吉田健一がキャラデザ

『地球外少年少女』は『電脳コイル』以来15年ぶりの、磯光雄監督によるオリジナル作品。監督が5年以上かけて脚本を練ったとあって、ハードSFとしての設定やストーリーの構成は見事なもの。
『電脳コイル』総作画監督の井上俊之氏がメインアニメーターを務め、『交響詩篇エウレカセブン』『ガンダム Gのレコンギスタ』の吉田健一氏がキャラクターデザインを手がけられています。かわいらしいキャラのイキイキした表情や、宇宙空間でのアクションは見ごたえがあります。

こんな作品が好きなら『地球外少年少女』はおすすめ

『電脳コイル』は言わずもがな、こんな作品が好きな方に『地球外少年少女』をおすすめします。

  • 『2001年宇宙の旅』
  • 『ゼロ・グラビティ』
  • 『幼年期の終り』
  • 『星を継ぐもの』
  • 『火星の人』(映画『オデッセイ』)
  • 『新世紀エヴァンゲリオン』
  • 『天元突破グレンラガン』
  • 『サマーウォーズ』
  • 『ジーンダイバー』
  • 『クロノ・トリガー』
  • 『シュタインズ・ゲート』
  • 藤子・F・不二雄作品全般

……といろいろ上げましたが、ふだんSFを観ない方でも老若男女問わず楽しめる作品です。

『地球外少年少女』の登場人物・キャスト

種子島博士

『地球外少年少女』の登場人物・キャストを紹介します。
ちなみに登場人物の名字は宇宙航空研究開発機構・JAXAやアメリカ航空宇宙局・NASAなど、宇宙との関わりがありそうです。

※()内は声優名、敬称略

・相模登矢(藤原夏海)
14歳。人類初の月で生まれた子供たちの一人。史上最高知能AI「セブン」が開発したインプラントが埋め込まれており、不具合を直すためドローン「ダッキー」の知能リミッターを外して研究中。好きなものはハッキングで、嫌いなものは地球人と重力。

名字の元ネタ:JAXA相模原キャンパス

・七瀬・Б[ベー]・心葉(和氣あず未)
14歳。登矢と同じく月で生まれた子供で、頭にインプラントが埋め込まれている。身体が弱く、医療用ドローン「メディ」と常に一緒。
 
名字の元ネタ:筒井康隆の「七瀬三部作」から?

・筑波大洋(小野賢章)
14歳。同世代にも丁寧語で話す物腰柔らかな少年だが正義感が強すぎる面も。UN2.1のホワイトハットハッカーで、ドローン「ブライト」と違法ハックをパトロール中。

名字の元ネタ:JAXA筑波宇宙センター

・美笹美衣奈(赤崎千夏)
14歳。「あんしん」からの実況中継でフォロワー1億人を目指す宇宙(そら)チューバー。顔芸やリアクションが面白いキャラクター。

名字の元ネタ:JAXA美笹深宇宙探査用地上局

・種子島博士(小林由美子)
12歳。両親の離婚で名字が違うが美衣奈の弟。登矢の大ファンで、科学技術にも詳しい。気の利いたセリフが多い。

名字の元ネタ:JAXA種子島宇宙センター

・那沙・ヒューストン(伊瀬茉莉也)
「あんしん」で登矢や心葉のケアをする看護士兼介護士。趣味はAIセブンが遺したとされるオカルト的予言「セブンポエム」。

名字の元ネタ:NASA、ヒューストン宇宙センター

・叔父(花輪英司)
叔父として両親を亡くした登矢を引き取る。「あんしん」市の市長。

・野辺山・ダルムシュタット・伊佐子(竹内恵美子)
「あんしん」のオペレーターで、那沙の友人。

名字の元ネタ:国立天文台野辺山、ドイツのダルムシュタット欧州宇宙運用センター、欧州宇宙機関(European Space Agency、イサ)or鹿児島県伊佐市?

・ジョンソン・内之浦・ケネディ(濱野大輝)
「あんしん」のオペレーターで、ハーバード大卒のいつもは冷静な人物だが割と「脳筋」。
 
名字の元ネタ:JAXA内之浦観測所、NASAジョンソン宇宙センター、ケネディ宇宙センター

・主任(浦山迅)
「あんしん」の元設計主任・国分寺がつくったステーションのマスコットキャラクター、ゆるキャラ。

名字の元ネタ:国分寺(日本の宇宙開発の父・糸川英夫教授と東京大生産技術研究所が日本初のロケット発射実験を行ったため、日本の宇宙開発発祥の地とされる)

まとめ

2022年1月28日に前編、2月11日から後編が映画館で公開されている『地球外少年少女』。Netflixでは約30分×6話ですぐに全話観られます。「ルナティック」「インプラント」など1話から謎の単語が出てきますが、気持ちよく回収されていきます(想像の余地もあります)。観終わったあともう一度1話を観るとまた違った視点で楽しめるでしょう。

前向きで楽しめるSFエンタメ『地球外少年少女』をぜひチェックしてみてください!

これまた隕石つながりのブラック・コメディ、Netflix『ドント・ルック・アップ』も一緒に楽しめそうです。

・関連記事:ディカプリオら豪華キャスト出演!最近のNetflixおすすめ映画3選

【Netflixシリーズ『地球外少年少女』独占配信中】


【Netflixご契約中の方へ】eo光ネット Netflixパックに乗り換えでNetflix最大1年分プレゼント!

詳細を見る

リビングを映画館に!Netflixの4K対応作品を大迫力の4Kテレビで楽しもう!

eoの定額4Kテレビならお手軽に「SONY 4Kブラビア」をご利用いただけます。
各種保証・保険がついてサポートも充実。高価な4Kテレビをお手軽に楽しみましょう!

eoの定額4Kテレビについて詳しくはこちら


※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

  • 編集者・ライター

    平田提

    株式会社TOGL代表取締役。秋田県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。メディアの編集や、経営者・映画監督・音楽家・漫画家らへのインタビュー、Netflix・アニメ・エンジニア関連のコラム執筆等を行う。

関連記事