ミルクボーイ内海 映画『浅草キッド』が芸人以外にもおすすめな理由

Netflixで独占配信中の映画『浅草キッド』の魅力をお笑いコンビ・ミルクボーイ内海さんがレビュー。内海さんは「芸人が観終わったあと誇りを持てる映画ですが、芸人以外の人でも観終わったらきっと、前向きになれるはず」と語ります。

ビートたけしを演じる柳楽優弥がすごい!

浅草キッド
▲ビートたけしによる同名の自伝小説『浅草キッド』(新潮文庫)が原作。映画化されるのは初。

『浅草キッド』はビートたけしさんの下積み時代からデビューぐらいまでのお話です。
まずたけしさん役の柳楽優弥さんの演技がすばらしい! 松村邦洋さんが所作指導をされてるんですけど、柳楽さんはさらにそれを絶妙な演技に昇華させてる。「ほんまに昔のたけしさんこんな感じやったんやろな」って引き込まれる。

たけしと千春
▲修行時代のビートたけしを演じる柳楽優弥と、たけしと同じフランス座のダンサー・千春(門脇麦)

あと劇団ひとりさんが監督・脚本というのもあってか、裏側の描き方がリアル。「たけしさんでもこんな下積み時代があったんや!」って入り込む。雑用したりお客さんが少なかったり。今の若手と変わらん部分もありますけど、今はお金払ったら舞台出れますし、YouTubeでとりあえず何かしら見せられます。だからこそ、たけしさんのすごさが分かる。

厳しくも優しい師弟関係に憧れる

深見とたけし
▲深見千三郎(大泉洋)は劇場・フランス座を取り仕切り、コントや演出など多彩な芸を極めた。東八郎、萩本欽一、ツービートなど浅草芸人に「師匠」と呼ばれる存在だった。

たけしさんが浅草フランス座で師匠の深見千三郎さんから芸事のイロハを教わってくんですけど、二人の関係が良くて。
深見さんは「芸人だったらいつでもボケろ」って言う。こういうの、憧れます。今は楽屋でもそれぞれスマホ触ってて。みんなでボケ合う、みたいなのはあんまりない。だからどこか昔の芸人さんのやり取りがうらやましいです。

深見と麻里
▲深見と妻でフランス座のダンサー・紀の川麻里(鈴木保奈美)。フランス座はたけしの独立前後に経営難に陥る。折しもテレビの漫才ブームの幕開けだった。

師匠は芸には厳しいんだけど、さりげなく助け舟出したり、自分のお財布がさみしくても奥さんからお金を借りておごってくれたり、優しい。

僕らは何度かたけしさんとお会いしてるんですけど、帰り際にいっつも「風邪引くなよ」とか「ネタいっぱいつくってがんばれよ」って声かけてくれるんです。「ああ、これ深見さんからの教えがつながってるのかな」って『浅草キッド』観て思いました。

お金ないときは飲み屋のドアを開けてまず後輩がおらんか確認しちゃってました。おごらなあかんから……でも自分らが先輩にやってもらってきたんでおごっていきたいなと思いました。

僕も師匠欲しなりましたね。ああそうや、2010年ぐらいかな、笑い飯の哲夫さんに気に入ってもらってた時期があって。飲みの席で「お前をお笑いサイボーグにしてやる」って言われたんです。師匠的に「鍛えてやる」みたいな意味やったんでしょうけど、なんか怖なってもう一緒に行かなくなりましたね……。

コロナ禍で「なんで漫才ってマイク1本なんだ」と考える

ミルクボーイ内海さん

ミルクボーイはM1グランプリで優勝して「これから」ってときにコロナで緊急事態宣言になって。だから調子に乗りたくても乗れなかった。
僕らはネタのツカミで最前列のお客さんから「こんなんいただきました」ってやるんですけど、今は劇場でも最前列にお客さんが座らない。席に間隔を空けてると盛り上がりも違う。

相方と自分の間にアクリル板を立てて漫才をやることもありました。そうするとマイク2本になる。オンラインでリモート漫才みたいなんもありましたね。これもタイミングはズレるし大変。

少しコロナが落ち着いて、無観客だけど劇場でオンライン漫才やるってなったとき、マイク1本に戻った。そしたらこれが当たり前なのに「一番変だな」って。なんで1本のマイクを奪い合ってしゃべるんやろう。でもこれこそが漫才なんかと。『浅草キッド』を観て、改めてそれが分かった気がします。

舞台→テレビ→ネット。舞台は変われど受け継がれる魂

たけしときよし
▲たけしはビートきよし(お笑いコンビ・ナイツ土屋伸之)と早口の毒舌で漫才ブームを駆け抜ける。

たけしさんたちは舞台から、伸び盛りのテレビに場所を移してブレークした。今も少し似ていて、テレビ以外にネットという選択肢ができた。ネット配信がうまい芸人はおります。僕はどっちかというと昔ながらの漫才がええやろって感じなんですけど。でも正解はないですもんね。ほんまに100組おったら100通りの考え方、やり方があってええ。

深見とたけし

『浅草キッド』の最後らへん、フランス座から独立したたけしさんが演芸賞を取って久しぶりに師匠に会いに来ますよね。二人で飲み屋に行って、そこでお客さんを笑わせるシーンが好きです。帰りに二人で「ウケたなあ」って帰るのが良い。そこではカメラ回ってないわけですから。あれが芸人の本質というか。お金をもらわんでも人を笑わせたいっていう。だから芸人は『浅草キッド』観てアツくなるんでしょうね。

「芸人だよバカヤロー!」はみんな一度は真似してるんちゃいます? お客さんに今こんなこといったらえらいことになりますよ。でもかっこいい。

『浅草キッド』は、芸人じゃなくても観終わったら自分の仕事に誇りを持てる作品なんじゃないでしょうか。「医者だバカヤロー」「弁護士だバカヤロー」「●●だバカヤロー」って。俺は自信を持ってやってんねんと。これを大事に思ってんねんと。ぜひいま自分の仕事に自信がない人に観ていただきたいですね。きっと元気をもらえます。

ミルクボーイ内海のNetflixマイリスト

ミルクボーイ内海さん

『浅草キッド』以外にもNetflixはよく観てます。

韓国ドラマの『今、私たちの学校は… 』とか。学校でゾンビに囲まれてく。面白いです。

あとこれもゾンビものですけど『キングダム』。韓国の王朝モノ・時代劇とゾンビの掛け合わせが面白い。とにかくゾンビが速い! めっちゃスリリングです。

『未来日記』はまじで最高ですね。SEKAI NO OWARIさんのテーマ曲が耳から離れんです。昔TBSの『ウンナンのホントコ!』でやってた『未来日記』は中高生のときリアルタイムで観てて出たかったもんなあ。観てるとキュンキュンしますよ。おすすめです。

今回の記事は「eo光チャンネル」で放送中の番組『Netflix Freaks』の連動企画。こちらもぜひ合わせてぜひご覧ください!

【Netflix映画『浅草キッド』独占配信中】

ミルクボーイ内海崇(うつみたかし)
兵庫県姫路市出身。大阪芸術大学に在学し2004年に「ミルクボーイ」を結成。劇場を拠点に活動を続け、2019年12月に「M-1グランプリ2019」で優勝。大阪市24区住みます芸人(天王寺区担当)も担当している。受賞歴は第8回 関西演芸しゃべくり話芸大賞グランプリ、M-1グランプリ2019優勝、第五回・上方漫才協会大賞 話題賞、第六回 上方漫才協会大賞 大賞など。


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  • 編集者・ライター

    平田提

    株式会社TOGL代表取締役。秋田県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。メディアの編集や、経営者・映画監督・音楽家・漫画家らへのインタビュー、Netflix・アニメ・エンジニア関連のコラム執筆等を行う。

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