Call of Duty(CoD)とは?世界的に長年愛される理由

『Call of Duty』、それは「世界で最も売れたコンピュータゲーム」のランキングに何度となく登場している人気シリーズの総称のこと。それぞれ個性ある内容ながらも、どれも戦争をテーマとしたFPS(一人称視点シューティング)である点は共通しており、第1作の『Call of Duty』が2003年末に登場してから最新作(2021年12月時点)の『Call of Duty: Vanguard』が発売されるまで、実に18年も続いている長寿ブランドへと成長を遂げています。
今回はその歴史を紐解いていきたいと思います。

ライター:多根清史

18年もの間、全世界で大ヒットを続けるCoDシリーズ

CoDシリーズ

『Call of Duty』シリーズを含めてFPSゲームは「自分の視点で見た画面が揺れやすい」ため、3D酔いに抵抗を覚える人が多い日本では、苦戦してきた印象が筆者にはあります。しかしFPSが国内で定着するきっかけとなった1つが『Call of Duty』との見方をする向きもあり、後のマルチプレイFPSが根づいたのも本シリーズが奮闘したおかげといっても過言ではないはず。

シリーズ累計1億7500万本以上の売上

全世界的にどれほどの人気かといえば、第3作目の『Call of Duty3』までに約2000万本の売上があり、2009年の『Call of Duty: Modern Warfare 2』は初日だけで約700万本もの売上で「最も成功したエンターテインメントの発売日」としてギネス記録に。2015年3月時点では、シリーズ累計で1億7500万本の売上との発表もありました。
ファミコン時代の国産人気アクションゲームには4000万本を突破したものもありますが、本シリーズが主に10代後半や大人を対象としていることを考えると、やはりとてつもない成功を納めているといえるでしょう。

人気の秘けつは「映画のような体験を、初心者でも楽しめる」こと

迫力満点の演出

1.ハリウッド映画的に迫力満点の演出

なぜ、CoD(「Call of Duty」の略称)シリーズがこれほど人気があるのか。1つには、ハリウッド映画的に迫力満点の演出です。プレイヤーキャラはほとんどが「単独で戦況を覆せる超人」ではなく一兵士ですが、淡々と撃ち合うのではなく、映画の中で起こるような劇的なイベントがリアルタイムで目の前で起こる。さらに味方の兵士とともに戦っている実感もあり、叫び声や銃弾・砲弾が飛びかう“音”も臨場感を際立たせ、あたかも「すごい瞬間に立ち会っている」感動が味わえるのです。

2.時代の先を行くグラフィック

第2の理由は、いつも時代の先を行くグラフィックのすばらしさだと考えています。初期シリーズから被写界深度に応じてぼかしを掛けて煙の表現をリアルにしたり、建物の輪郭から光が漏れる、蜃気楼を再現したりと、単なる美しさ以上の「戦場の空気感」に力が注がれてきました。たとえば敵の砲撃で水しぶきが上がったとき、プレイヤーの視界をぼやかして「周囲が海だ」と実感させるといった具合です。

3.初心者にも遊びやすいゲーム設計

そして数千万人もの人々に楽しんでもらうためには、「遊びやすさ」がなくてはなりません。一見して硬派にも思えるCoDシリーズはそこが徹底していて、初めてのプレイヤーでも操作を学びながらプレイできる親切設計です。ひとりプレイ用のキャンペーンモードでも、最初のミッションを遊んでいるうちに移動や銃の撃ち方、銃器の扱いおよび変更のやり方など、あらゆる基本が学べます。

また初心者がFPSでつまずきやすい「銃の狙いを付ける」ことも、エイムアシスト機能により楽々とハードルを飛び越せます。敵の近くまで照準を持って行けば自動で合わせてくれるので、何もできずにやられることもなく、上手くなった気になれる。そして体力は自動回復して、撃たれても物影に隠れてじっとしていれば戦いを再開できるため、慎重にプレイすればやられにくいのも特徴です。

ザックリまとめれば、CoD人気の理由は「映画のようにリアルな戦場での体験を、初心者でもすぐ楽しめる」ということ。両立が難しそうな2つのエンターテイメント性を、見事に同時に実現したのだから大ヒットも頷けますね。

長期にわたるCoDシリーズ人気を支えてきた三本柱

18年もの長期シリーズとなったCoDですが、メインシリーズだけで約20本(数え方により違いが出ます)、単発ものやスマートフォン向けアプリを含めると膨大な本数に上ります。それだけの派生作品があるだけに、全ての作品のストーリーや世界設定が繋がっているわけではありません。むしろ、それぞれを独立させたからこそ(開発会社も複数あります)バラエティ感が生まれ、以前のタイトルをやってない人たちでも途中参加しやすかったと思われます。

シリーズの基礎を作った『Call of Duty3』までの三部作

大まかに分けると、全シリーズの基礎を作ったのが初代『Call of Duty』から『Call of Duty3』までの三部作。どれも舞台は第二次世界大戦で、米軍・英軍・ソ連軍の3パートあり、映画的な演出は第一作から際立っており、単独潜入もあれば戦車戦もあるシチュエーションも幅広い。当時としてはNPC(コンピュータが操作するキャラ)のAIがよくできており、敵も味方も棒立ちせずに賢く立ち回ってくれました。

マルチプレイ

その一方でネット経由のマルチプレイも手堅く作られており、MODフレンドリー(改造プログラムのMODを導入しやすい)をうたい、ユーザーが改造することにも寛容でした。「FPSとして凄く完成度が高く、とことん親しみやすかった」ということで、根強い支持を集めたのでしょうね。

「中興の祖」MW(Modern Warfare)三部作

それに続く2つ目の柱が、2007年の『Call of Duty 4: Modern Warfare』から始まるMW三部作です。『Call of Duty 4: Modern Warfare』の発売はおりしも家庭用ゲーム機がPS3世代に移行する時期で、家庭用ゲーム機の表現力も底上げされたタイミングでした。これまでの第二次世界大戦から打って変わって、現代の対テロ戦を扱うようになり、混迷の深まる2000年代前半を深く掘り下げています。

そうした複雑な世相を扱いながらも、操作性はすこぶる快適。拳銃から対戦車ロケットまで現代兵器の数々が豊富に登場し、グラフィックも「キャラの表情が読み取れる」まで向上。そして多様な視点からスパイ映画や戦争映画を彷彿とするシナリオが繰り広げられ、それでいて話は分かりやすくてシンプル。しかもムービーに頼っていないため「自分で操作している」感の評価は今でも高かったりします。

またマルチプレイで「Perk」という特殊スキルを選び、それぞれのプレイヤーが好みの戦い方ができるようになったのも「MW」以降のこと。初代が元祖なら、「MW」は中興の祖といったところです。

if展開やゾンビモードで人気になったBO(Black Ops)シリーズ

そして、もう1つの柱となったのが『Call of Duty: Black Ops』(2010年発売)に連なるBOシリーズです。こちらは冷戦時代を舞台に、政府の汚れ仕事を請け負っていた兵士たちの物語。ベトナム戦争やケネディ暗殺など歴史的な事件を織り交ぜ、時には「あの時こうなっていれば」のif展開もあり、陰謀論やサイコスリラー的な世界観にも中毒性があります。

ほかBOシリーズ最大の特徴が、その代名詞とも言える「ゾンビモード」です。最大4人で遊べる本モードは元々『Call of Duty: World at War』のオマケ要素だったものの、好評だったためにBOではキャンペーン・マルチプレイに並ぶ第3のメイン内容に抜てき。プレイヤー同士が全員で協力し、アイテムを回収したり役割を分担して守り合うことは他のモードとは違った楽しさがあり、BO以外のCoDシリーズ作にも採用されることがあります。

最新作「Vanguard」はCoDシリーズの集大成

さてCoD最新作の『Call of Duty: Vanguard』は、2021年11月に発売されたばかり。舞台は再び第2次世界大戦へと戻りながらも、これまでのシリーズの進化や面白さのエッセンスはしっかりと受け継がれています。

初代CoD三部作と近いテーマに見えながらも、今回の舞台となるのはヨーロッパの東部戦線、西部戦線、太平洋および北アフリカ。1人プレイのキャンペーンでプレイヤーが演じるのは、世界初の特殊部隊「タスクフォースワン」のメンバー達です。それぞれイギリス、ソ連、オーストラリア、米国の連合国から選ばれたエリート兵士らが、第二次世界大戦4つの主要な戦線で戦うというもの。

本シリーズの大原則である「一兵士から見た戦場」というコンセプトは変わらないものの、ある者はスターリングラードの激戦を戦い、ある者はミッドウェー海戦でのドッグファイトを体験。そして上空からの降下作戦からの思わぬ展開など、戦場で起こっていた事件が網羅されているリッチさです。

もちろんゲームのハードウェアが進化するに伴った体験の強化もあり。マシンガンを連射すれば激しく揺れる反動が画面やコントローラーにも伝わり、銃声や爆発音もより鮮明に表現。また銃撃の影響はマップにもおよび、撃ち続ければガラスが砕けたり家具が飛び散り、壁に穴が開いて建物の形が変わってしまうという凝りようなのです。

さらにはBOシリーズで親しまれていた「ゾンビモード」も、第2次世界大戦とは違う意味で世界の命運を賭けて繰り広げられることに。最新のグラフィックエンジンや多様なPerk(特殊スキル)により面白さもパワーアップされ、今後の大型アップデートも予定されていることで、マルチプレイともども末永く楽しめると思われます。

長きにわたる人気により、面白さは保証されているCoDシリーズ。その最新作「Vanguard」をプレイして、CoDの「世界で最も支持されたFPSの歴史」に触れてみてはいかがでしょう。


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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

  • ライター

    多根清史

    1967年、大阪市生まれ。京都大学法学部卒業。著書に『ガンダムと日本人』『教養としてのゲーム史』、共著に『超ファミコン』などがある。ゲーム・アニメ・マンガ、政治・ITなど幅広いジャンルで活動中。

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